今から4,50年前の1970年代後半から80年代前半(昭和50年代)。
新幹線は東海道と山陽(東北は82年開業)のみで、昼夜を問わず特急急行が全国を網羅していました。
そんな国鉄が発行していた「周遊券」を利用した旅ができたことはとても幸せなことでした。
1979(昭和54)年、夏休みを利用して訪れた四国・4県の旅は20泊21日。
「四国ワイド周遊券・20日間有効」は「エリア」までの往復を含め急行まで乗り放題・
途中下車OK。
今はJR各社がエリア内乗り放題の切符を発売することもあるようですが、それは新幹線を含めた金額です。
「往復乗車券よりも安い周遊券」は鉄道ファンには思う存分乗れる、ありがたい存在でした。
夏真っ盛りなれば、四国上陸まで乗車率100%越えは夜行列車も。
本州との連絡橋がなかった当時は、岡山から宇野線、宇野から国鉄宇高連絡船で高松へ上陸、「土佐丸は100%以上」でした。
オリーブや寒霞渓(かんかけい)で有名な小豆島へは民間フェリーで。
「家々の外の水道の蛇口の取っ手がない!」のは水が貴重な島だからでしょうか。
島内のバス代は計2000円だったようです。
狭そうに見える四国でも夜行列車は健在で、これまた100%(乗車率)。
(降りた駅は主要駅と黒字で、乗ったところは赤い丸で示しています)
(国内では一番わかりやすい路線図は当時も)
ワイド周遊券ならではの「長距離・広範囲の周遊区間」を生かし、「往復夜行列車+区間内夜行列車」を多用(3分の一)し、ユースホステルは3分の二で済ます方法です。
急行(一部特急)列車名は★イメージ「銀河」(東海道線)「南風」★地名・地方・川・山「比叡(ひえい)」「富士川」「東海」(東海道線)「鷲羽(わしゅう)」(山陽本線)「かすが(関西本線)」「あしずり(足摺岬)」「南国(国鉄バス)」「むろと」「よしの川」など
ローカル線には多くの急行がありました。
(現在、本線にも廃止論議ちらほら・・・)
非電化県徳島(ディーゼルカーのみ・電車はありません)。
徳島本線のお盆期間中でも短い編成のディーゼル急行は超満員。
出るに出られず、「ならば窓から(降車)」はさすがにこの時だけの体験でした。
「四国八十八か所めぐり」全部は無理でも「駅チカ(徒歩圏)」を狙えば20か所、4分の一は回れましたが全部は難行です。
有名どころ、香川県の善通寺や金比羅山(こんぴらさん)はリュックしょって、かごかきも登る1368段の階段を昇り降り、平気なお年頃だったようです。
国鉄バス(周遊券で無料・一部指定席料金)が結構走っていて、鉄道で行けない場所へだいぶお世話になりました。
石鎚山のふもと・涼しい面河渓(おもごけい・愛媛県)や暖かく波穏やかで遠浅の、土佐の海へ行けたのもバスのおかげ。
高知県の山の中の無人駅では予定にない野宿をすることに・・・。
ユースホステルは夏休みでさすがに混んでいる所が多かった時代。
仲良くなった方たちとラーメンやかき氷を食べに行ったり、原付を借りて桂浜(高知県)まで風を切って走ったり。
「洗濯物」に困り(コインランドリーなく)ユースホステルで手洗いしたTシャツを扇風機で乾かしたらほこりが吸い付いてしまった・・・。
美少年(冗談です)と思われたのか、夜行列車で成人男性に言い寄られたり・・・。
今では本州と3つの橋がかかり、人や物やお金の流れは大きく変わりました。
2両で走る「特急うずしお」に納得、と言う意見が出るほどです(2両の特急、、自分にとっては衝撃です)。
物価は、
営団地下鉄/銀座~京橋120円、チーズバーガー180円、レモンジュース100円、牛乳60円、きしめん220円、味噌ラーメン350円、ファンタオレンジ50円、コカ・コーラ70円、かっぱえびせん58円、伊予かすり会館50円、(正岡)子規堂50円、肉うどん250円、きつねうどん170円など。
1979年(昭和54年)の平均年収は273万円。
2019年(令和元年)の平均年収436万円の約63%(★今なら約1.6倍)でした。
それが、2023年2月2日に「400万円を切った(★今なら1.5倍)」との情報が、、、。
「21日間の旅」でかかった費用は、周遊券16200円、特急券・バス指定席券・船・私鉄・市電切符代、(カメラの)フィルム代2220円、宿泊代(11泊)23750円、飲食代11000円、お土産代3750円を含めて63000円で令和なら100000円。
安いと感じるか、その金額があったら他に回すかはひとそれぞれです。