三陸 海 旅 つれづれなるまま

三陸沿岸 へき地移住者の暮し 旅の話など

海の見える小学校 ついに統合 旧町の小中学校 1校ずつに その中身は 三陸沿岸部 No.507-A

9月は13種類にわたる”各種広報誌”が郵便ポストに配られ、その中に見つけたのが

「○○小学校・○○小学校 統合準備会だより」です(写真↓↓)。

読んでいて、「ついに来たか・・・」というのが感想です。

もともと人口1万人超えの旧町には3校の小学校がありましたが、そのうちの1校は令和を待たずに廃校し、これで一つに統一されることとなります。

 

なくなる小学校は、写真館さんからの依頼で安価アルバイトカメラマン(おそらく先生たちはそうは思ってはいない)として「卒業アルバム用、入学式・修学旅行・秋の運動会・卒業式」の撮影にお伺いした場所です。

初めて高台にある3階建ての校舎の階段を登り、廊下の先、視界に広がった太平洋に”海が見える!”といたく感激した覚えがあります。

 

入学式。

児童数の減少ですでに”一けた”の新入生。

集合写真でも”一人ひとりが大きく写る”のがメリットでした。

 

修学旅行。

統合前の”慣らし”の意味合いもあった、”2校合同の修学旅行”は隣県の歴史名所・会津若松市まで。

1台のバスに2校分の教職員(含保健の先生)込みで1泊2日。

例によって”予定びっしり・てんこ盛り”で、それこそ分刻みの移動が続きました。

片道6時間をかけた往復は”帰路の寝物語”を生み、県北端は県央と同じ場所でなくてもいいのでは・・と思った次第。

 

秋の運動会。

”漁師さんがいる”土地柄、校庭に何枚もの大漁旗がはためく中、こじんまりと、それでも盛り上がり昼前には終了しました。

 

卒業式。

春まだまだ寒い3月、”バズーカ砲”を(勝手に)想像させる”大型ヒーター”が複数台稼動する中、広い体育館で入学式と同じように・・・。

運動会で話をした同年代の先生が先月急逝したことを知り、手元に残る写真にお別れをしたのもこの時でした。

 

たいへんお世話になりました。

 

「統合」は来年(令和6年)4月。

リアス式海岸の細長く伸びた半島は1本ですが、地元業者の大型バスを使った「スクールバス」は2ルートの運行予定だとか・・。

6回の準備会で”話し合った”ことは、

・校名、校歌、校章、運動着は旧町名の小学校に統一する

決まったことは、

・名札をなくなる小学校カラーの緑色にする

・児童会の歌を、統合後に児童が話し合って決定する

 

両校の良さがひとつになり、より良い小学校になりますように・・・・・。

 

市では、この2校以外に来年統合される2校が”市を挟んだ反対側の旧町”にあり、なくなる方は初めて運動会の撮影でお伺いし、昨年10月も訪れた学校です。

 

koppasan.hatenablog.com

 

体育館の壁に飾ってある、卒業生制作の大きな版画と”お国のため・・・という文章が入る、戦前にできた校歌”が印象的でした。

 

 

他に・・・昨年3月、中学校がなくなり、卒業式と運動会でお伺いした”島(半島ではない)”の小学校は(予定通りなら)この春の新入生は3人。

こちらも遠からず、統合される予定です。

koppasan.hatenablog.com

ここで思い出したことが一つ。

かつて、30年間県央のリサイクルショップに多くの警察官の訪問を受ける中(各種捜査のため)、”警察署内にある交番”勤務の方がいました。

彼いわく、「仕事は大変」で、「○○君、ミスしたら○島へき地)行き(勤務)だぞ~と署長に言われることがある」とのことでした。

真意は不明ですが、今思えばその島こそ県央から約130㎞離れた上の島だったのです。

遠隔地が懲罰のたとえに使われる・・・よくありそうな話ですが・・・・・。

 

9月の市の広報誌のグラフでは、7月の人口58000人は7年後48000人、17年後33000人に減少し続ける見込みだそうです。

 

お盆におじゃました”圏央”とはあまりにも違う”生活(環境)”。

”地方”は程度の差ことあれ”衰退していく未来”が目の前にあります。

その姿が見えていようがいまいが、意識しようがしまいが・・・・・。

こころ豊かに、その条件を逆手にとり年長者ほどのんびりいくだけ(楽しむだけ)、なのかもしれません。