三陸 海 旅 つれづれなるまま

三陸沿岸 へき地移住者の暮し 旅の話など

昭和の東西ヨーロッパ行 153 バルト海の豪華客船を2等パスで乗る スウェーデン フィンランド No.644

先日、立ち寄ったイオン(スーパーセンターでなにげに見たピザの値引きシールが、「298円⇒288円(共に税抜)」で10%引きならぬ10円引きなことに驚いた、へき地県境民です。 

何かの間違えか?(10%引きと間違えた?)と思いましたが、あちこちの品が・・・・・(10円引き)。

はたして”値引きシール”に効果はあったのか・・・。

 

今から38年前の1986(昭和61)年、転職直後の離職で幸運にも実現した長旅。

旅と鉄道好きが一生に一度多くの国を訪れる」条件に合致したのは、当時東西に分かれていたヨーロッパでした。

 

8月27日(水)

北欧スウェーデン滞在10日目。

フランス⇒スイス⇒オーストリアから北上、ドイツ⇒デンマークスウェーデンへ。

(地図や小文字の文はグーグルマップ/Copilotより)

 

首都ストックホルムから隣国フィンランドまで。

ユーレイルユースパスを使い手っ取り早く移動するにはバルト海を横断するフェリーが有効でした。

優秀なるパスはこの豪華客船(*現在は”クルーズ船”)も無料で、事前調べによればプールもある!(*はたしてパスが使えるのか?)

 

夕方の出航まで、昨日乗り間違えて行けなかった東部の海へ近郊電車で向かってみました。

 

北国なのに近郊電車は”自動ドア”で、冬は寒そう・・。

(便せんメモより)「川のように細い海を越え島づたいに進んでいるはずが、島の中央部を通るため海が近い/島な気がしない」

 

片道1時間弱。

海が近い駅で降り、穏やかな波打ち際でしばしボーっとしてしまいました。

そこにまわりに特筆すべき施設はなく、あるものといえば自然だけ・・・。

 

https://lh5.googleusercontent.com/p/AF1QipOrD-MtMtr8pTx0qwl_QZOLQNGytlfRSLObgniy=w408-h306-k-no

(週末をくつろぐ人々でにぎわいそうな海辺)

 

それでも、急かすものがなくても、時間は遅れずに進んでいきます。

 

午後2時、学校帰りの子供たちが席を埋めるのはこの線も同じ。

ヨットハーバー”は入り江の数と同じくらい見え、国民の船舶所有率スイスなどと同じくだいぶ多そうな印象を受けました。

その優雅な景色も風混じりの雨でどこかへ行ってしまったかのよう・・・。

 

https://lh5.googleusercontent.com/p/AF1QipOC52QnstplYmcQCsal5MzuZrJ_UM9fYCXqS9yA=w408-h358-k-no

ストックホルムの街まで戻り、地下鉄にユーレイルユースパスで乗り、駅徒歩8分。

15時半。

豪華客船を運行するシリヤライン(会社名)の船が見えるターミナルへ着けば、目の前にいた予想をはるかに超える大きな船にびっくり!

 

https://www.jasnaoe.or.jp/old_sites/wjsna/mm/008/photo06.jpg

(シリアライン セレナーデ号 1990年建造 86年当時も同じ形でした 西部造船舎様)

 

タリンク&シリヤラインは、フィンランドスウェーデンエストニアの各都市を結ぶクルーズを、季節に関わらず一年中運航しています。

夕方に出発し翌朝に到着するスケジュールはコスト的にもおすすめです。

あのムーミンがコンセプトの客室もあるようです。

現在、スウェーデンストックホルムバルト海フィンランドヘルシンキの運賃は片道149ユーロ(約26000円)から

 

このような大きな船に”ヨーロッパ2等列車周遊券(ユーレイルユースパス)”で乗れるのはとてもありがたいことでした。

 

16時半。

乗船券はもらえど青函連絡船のような”名前調べ”もないので、万一”海の藻屑(もくず)”にでもなれば、人知れず”ヨーロッパ旅行中に行方不明”で終わっていたかもしれません。

 

船は2階から9階まであり、

・2階 サウナ・プール

・4階 入口・案内所

・7階 免税店 レストラン

・8階 レストラン

・9階 会議室ほか

・各種客室がたくさん

 

・7階にスリープインという簡易寝台(2段ベット)が70台ほど

・他にリクライニングイスが90個ほど

 

20分ほどで埋まったスリープインに幸い滑り込むことができました。

(便せんメモより)「船室は満杯の模様 されどそれほどバックパッカーはいない 100人くらい?」

 

18時の出航後、外の景色を眺めるよりもまず最初にやることは”両替”。

それは訪問国ごとの”儀式”と化していました。

 

https://lh5.googleusercontent.com/p/AF1QipPEnlygsVfVwy5sRON0JFBp4HWjfZFMYjMrHYb2=w408-h251-k-no

ストックホルムを出た船は途中にある小さな島々を縫うように進みバルト海の大海原/おおうなばらに出ます)

 

持参した各通貨(お札)との両替率を比較したところ、

・米ドル よくない

・フランスフラン 中間

・日本円 一番いい

でしたが、プラザ合意でどんどん円高上昇中の円はより長い滞在国で使いたい、との思惑でフランスフランと替えることに・・・。

プラザ合意は、1985年にアメリカが日本を含む先進国5カ国に為替市場に介入することでドル高を調整するための出来事 この合意により、日本はバブル時代へと向かっていくことになりました

 

通貨単位はフィンランドマルカ(FMK)で1マルカ=約37円(*現在はユーロ)

ちなみに、日本円を両替すれば34円でした。

国税庁発表の統計によると、1986年(昭和61年)の平均年収は386万円 

35年後、2021年(令和3年)は443万円で約15%上昇(約13%低い↑)

 

免税店も両替率は同じで、

マルボロ(たばこ)1カートン(10個入り)69マルカ・2600円

・巻きたばこ 50g 9マルカ・335円

(*デンマークスウェーデンのフェリーでは250円)

ジョニーウォーカー黒 1L 4565円

ジョニーウォーカー赤 1L 3450円

カティーサーク    1L 3120円

・シーバスリーガル   1L 6235円 

と同じ免税店でも他国と比べて際立つ高さ・・・

 

セルフサービスのカフェテリアでソーセージとポテトで750円~1000円でも地上に比べれば充分割高だったのです。

 

一度バルト海の大海原に出れば夜に見る島影もなく、

(メモより)「あとは寝るだけ」

翌朝7時半からの”無料プール&サウナ”に期待して(心おどらせて)早寝したのですが・・・・・。

 

https://lh5.googleusercontent.com/p/AF1QipPHltpqhR9BFvysd5bDoeej0KY7Bt-mtGM7EMer=w426-h240-k-no

(途中にあるフィンランドの島)

 

8年後の1994年。

バルト海でクルーズ船の沈没事故(後部ハッチの閉め忘れ/不充分)が発生、852名の犠牲者が出たことをこの時はまだ知るよしもなく・・・。

 

 つづく