三陸 海 旅 つれづれなるまま

三陸沿岸 へき地移住者の暮し 旅の話など

40年ぶりの「18きっぷ」で さて 青春18きっぷ 3. 大船渡線 田沢湖線 岩手県 JR 国鉄 No.493-A 

(5日 山形県酒田港と鳥海山/展望台から)

 

8月上旬。

夜こおろぎの音が重唱になり、昼虫干しのリネン類にトンボ並び、日々の変化感じるへき地県境民です。

 

先月。

地元の未完乗の路線を乗ろうと思い、地元の駅で購入した40年ぶり/JR「青春18きっぷ」。

10代からの長年の希望が、廃線第三セクター化(乗れないか通過のみ)で”線路ずたずたになって一部やっと実現”しました。

(大まかに言うと)春夏冬の時期発売/JRの普通(快速)列車に1日乗り放題、5回(人)分12050円、一日あたり2410円の切符です。

 

7月下旬。

釜石からのとんぼ返りも同じ車両/同じ快速「はまゆり」で、今度は花巻から北上、終点盛岡を目指します。

”とんぼ返り”のわけは地図下の写真「釜石駅時刻表」でわかります。

一日11本の列車のうち、快速は3本/快速が止まらない駅は8本で、のんびり滞在していると”その日のうちに戻れない”可能性があるからです。

待ち時間36分で外に出て、駅前の観光客向け水産物販売所とお土産品販売所をのぞいてみると、そこに広がるは”やはり”閑散とした空間でした。

1年半以上前、戦中に親が暮らしていた釜石の街を再訪した時の”販売所”は今回も・・・。

下記の写真は見やすくそのものズバリの時刻表ですが、なんとも寂しい。

(朝、途中からの通学用に2本、通勤需要は大船渡線と同じくなさそうです)

構内にSL運行の名残り「ターンテーブル(丸い転車台)」がある釜石駅。

乗り入れの三陸鉄道が南北に通常1両のディーゼルカーを走らせていて、ちょうど中高年の”撮り鉄”さんたちがラッピング列車をパシャパシャ!

釜石線の”帰り(上り)”もこの”状況(乗車率~25%)”は変わることなく、今度は急な仙人峠をゆっくり上る3両の快速「はまゆり」。

「日常生活や観光」で路線を維持することが困難ならば、これ以上累積/増大する赤字を増やさないためにも、素直に最新規格の釜石自動車道を走る「バス」を中心とした交通手段にバトンタッチするのが自然かと思います。

 

新花巻駅でキャリーバッグ姿の方々が新幹線乗り換えで下車、花巻駅からは”反対方向”に”座席の向きを変えぬまま(後ろ向き)”平地の電化区間東北本線)を快走します。

それでも加減速が電車より劣るのがディーゼルカーの宿命で、それはそれでいいと思う”観光客”です(通勤通学の方は・・)。

 

ニューヨークタイムズが選ぶ「今年行くべき場所 世界第二位」に選ばれた、岩手県の県庁所在地盛岡市

駅前からのぶらぶら歩きができる、こじんまりとした街は人気です。

帰りにぶらぶらする前に、鉄道で行けるところまで・・は西方面「雫石(しずくいし)」へ。

田沢湖線秋田新幹線開業で線路幅(ゲージ)は狭軌1067㎜から標準軌1435㎜に、ローカル線は電化され将来にわたり廃止をまぬがれました。

レールが外されても昭和の名残りで9番線まである盛岡駅は、広い視界を残したまま駅裏再開発中、このあと何が建つのやら・・・。

 

大曲(秋田県電車区から来た4両編成は、1割もいない乗客を乗せいったん新幹線高架部分へ上昇/合流後、在来線に戻り一路西へ。

イオンが駅工事費の半分を負担し3月開業した、イオンモールのある前潟駅周辺は、家電量販店やら全国チェーン店が集まり便利そうでしたが、駅利用者は・・(この列車では残念ながら・・)。

右手「南部富士」と言われる岩手山は雲の中で本日も見えず・・・。

それでも、山すそに広がる開けた視界の中、左右に針路を変えながら進む”標準軌(幅広)の普通電車”。

 

さっそく小岩井駅で、豪雨災害運休から昨日再開されたばかりの秋田新幹線とすれ違いましたが、赤が基調で鼻の長いフォルムはかっこいい。

”単線”の普通列車は交換(通過待ち)でよく停車します。

南側、湖のある”繋(つなぎ)温泉”、北側、小岩井農場はこのあたりです。

20分ほどで”ここから先は望めない(帰ってこれない)”雫石駅下車。

わけは地図下の時刻表でよ~くわかります。

(ぱっと見、それなり列車が走っているように見える時刻表)

いえいえ、よ~く見ると・・・。

上りは一日13本、うち4本の新幹線を除けば9本(普通列車)。

下りは一日10本、うち4本の新幹線を除けば6本ですが、恐ろしいのはその”行先”です。

5時の次は13時ですが、2つ先の県境赤渕駅までで、秋田県へ越境できるのは14時54分、なんと9時間19分後です(その次は16時半の田沢湖行き・18時で計3本)。

こうなると、1日3本(うち”通しで乗れるのは2本”)の意味がよくわかりませんが、通勤でも通学でもないことは確かなようです。

同じようなことは、山形新幹線の県境(山形~福島)でも見られるので、自分にはわからない”亡くせないわけ”が存在するのかもしれません。

 

雫石駅で”18分の新幹線すれ違い待ち停車”をすることなく下車できたのは幸い?だったのでしょうか・・・。

 

折返しの電車まで約50分。

少しだけ駅前周辺を歩いてみれば、ぱっと見昭和の町並みが続き、そこにはのどかな時間が流れていました。

 

 つづく