三陸 海 旅 つれづれなるまま

三陸沿岸 へき地移住者の暮し 旅の話など

昭和の鉄道旅 山陰の駅弁 海の幸 山の幸 国鉄 No.419

今から約43年前の1979(昭和54)年の冬。

首都圏で学ぶ学生が国鉄周遊券を利用して訪れた山陰。

当時は高速道路などという早くて便利なものは存在せず、特急・急行・長距離列車全盛の時代。

駅弁需要もそれなりあったかと思います。

日本海沿岸部ではない、山間部を行く中国自動車道が全通したのはそれから4年後、1983年のこと。

 

乗ろうと思えば、ディーゼル機関車が客車を牽引する「京都発下関行き普通列車」が存在し、「(一部を除き)単線区間ではすれ違い待ちや急行・特急の通過待ち」「大きな駅では長時間停車」を繰り返しながら、何両もの車両を使い日本海をのんびり走り通していました。

残念ながら写真や包み紙等はありませんが、小型ノートのメモを見ると、当時の「お弁当事情」が少しだけ垣間見えてきます。

★山間部(単位は円)

津山駅岡山県) ます寿司400 しいたけ弁当400

新見駅岡山県) 幕の内400 500 ちらし寿司500

三次駅(広島県) 山女魚(やまめ)弁当500 鮎寿司600 ちらし寿司200 山菜冨貴よせ弁当500

綾部駅京都府) 鮎弁当600 栗弁当600

福知山駅京都府) チキン弁当600 うなぎ弁当700 鮎弁当600 栗弁当600

 

★沿岸部

西舞鶴駅京都府) 小鯛雀寿司500 とんかつ弁当600 かにめし550 うなぎめし700

鳥取駅(鳥取県) かに寿司600 いがい(ムール貝に似た)釜めし400 おこわ600

米子駅鳥取県) 日本海寿司600 おこわ650 牛めし600

松江駅島根県) お好み弁当500 牛すき弁当600 三色おにぎり400 海山弁当500 風土記800 1000 1200

出雲市駅(島根県) うなぎめし600 そば弁当300

大田市駅島根県) とりめし500

益田(島根県) 500 浜田 500 長門市 400・500 は幕の内弁当のみ

 

幕の内弁当は400~500円でどの駅にもありました。

内陸部では鮎や山女魚(やまめ・ヤマメ)などの川魚(養殖?)が見られます。

栗・山菜・しいたけなど山の幸も。

うなぎ・・は今では貴重な国産だったのかもしれません。

 

沿岸部では日本海の海の幸を使った寿司が各種ありました。

出雲はそばの有名どころらしくお弁当にもその名が。

牛・・もきっと国産だったのでしょう。

 

肝心の弁当は、事前に調べて・メモして買う気満々だったはずが、実際に購入したのは鳥取の「かに寿司600円」のみでした。

錦糸卵にカニ+たくあんと昆布の漬け物というシンプルでわかりやすい内容。

一時同行した(旅路が重なった)同級生から分けてもらった、下関の「ふくめし(ふぐ)800円」は白いふぐが散らばり、もっとシンプルだったと記憶しています。

 

ユースホステルの食事を除くと、買い食いしたのはもっぱら「パン・各種牛乳・各種ファンタ・サイダー・うどん・そば・ラーメン・ソーセージ・かっぱえびせん・ポテトチップスなどなど・・・(学生は費用を節約)」

(写真のように、スーパーでの買い求めたものが主でした)

現在、駅弁を検索してみると「鳥取」「米子」「松江」のみ載っていて、「かにめし」や「牛肉弁当」以外に「赤貝めし」「あご寿司」「いかすみ弁当」「ゲゲゲの鬼太郎弁」などという弁当まで・・・。

価格は970円から3000円まで。

 

(弁当とは異なりますが)4段に重ねられた小型で丸い塗り物(漆器)でいただいた、それぞれ違う薬味の乗った「出雲そば」や、元旦に一般宅でいただいた「白みそに丸もちのみのシンプルなお雑煮」は地域に根差した、現地の味そのものでした。

 

北の地にとって長い間無縁だった山陰(お互い様です)。

ここ何年かで県南の空港から出雲空港までの定期便が就航し、2泊3日のツアー案内が新聞やテレビで時折宣伝されることもあり、やっとご縁ができたようです。

有名な「カニ」「砂丘」「出雲大社」以外の「石見(いわみ)銀山」なども周遊地に含まれているようです。

遠距離を感じさせない、「一気飛び」「点と点」を結ぶ飛行機の存在はとても大きいと思います。

たとえそれが短期間(2泊3日)でも、コロナインフレでグン!とアップした料金で参加者が少数だったとしても、航空路線を含め継続されればいいなと思います。

(県北から県南の空港まで、三陸自動車道と南部道路を飛ばして片道140㎞・3時間の沿岸部にご縁は・・・どうでしょう・・・)

 

自分・・・は「親の(この世からの)卒業式」を無事終えたら、山口県下関市まで片道約1500キロを車でトコトコ訪れてみようかと思います。

鉄道で訪れることのできなかった場所を含め、途中あちこち寄り道をしながら・・・・・・・・・・。