三陸 海 旅 つれづれなるまま

三陸沿岸 へき地移住者の暮し 旅の話など

昭和の東西ヨーロッパ行 60 イングランド南西部 入り組む湾の街 プリマス イギリス 欧州 No.551

謹賀新年

本年もよろしくお願いいたします

 

(昨年10月 気仙沼市安波山/あんばさん 鳥居前 サビが年数を物語る”拝殿建設予定地”の看板)

(今はほとんど人が通らなくなった神社参道 知る限り、すたれた神社が山に二つ)

 

12月中旬、予想最高気温が圏央14度、県央10度、隣県沿岸北部8度なのに同じ沿岸南部で6度になんだかなーのへき地県境。幸い正月は暖かそうです(不在です)。

 

今から38年前の1986(昭和61)年、転職直後の離職で幸運にも実現した長旅。

「旅と鉄道好きが一生に一度多くの国を訪れる」条件に合致したのは、当時東西に分かれていたヨーロッパでした。 

 

5月30日(金)

西ドイツの友人宅を出、ベルギーからドーバー海峡を渡りイギリス滞在35日目。

(地図と写真はグーグルマップより)

 

イングランド南西部の港湾都市プリマスに連泊し街を歩いてみました。

 

プリマスは、イングランド南西部のデヴォン州にあり、行政はシティかつ単一自治体 。 17世紀、ピューリタンを含んだピルグリム・ファーザーズの一団、102名はこの港からメイフラワー号に乗船し新大陸に向かった。その到着地点となった海岸部が、現在のアメリカ東部マサチューセッツ州の都市プリマスに当たる。(グーグルマップより)

 

https://lh5.googleusercontent.com/p/AF1QipNAqqqhjnjX_xWwm-eaoCJJUfOtt1KLqM0GjPyq=w408-h272-k-no

(当時高い建物はなく・・)

ユースホステルの壁に貼ってあった”フェリー情報”ではトアポイント(地図中央↓↓)というところまで無料のフェリーがあるとのことで、そんじゃと軽い腰を上げ・・・。

途中のイギリス国鉄の小さな駅まで来ると、そこに表示されていたのは「REQUEST(リクエスト)」。

なんと!列車が来たら手で乗る意思を示せとのこと。

自由乗り降り区間のあるデマンドバスは知ってはいましたが・・・。

 

横浜の有名公園とは違う、原っぱの港の見える丘公園(港公園)を下った先に(地図のトアポイントの””あたり)フェリー乗り場があり、10分もかからずに対岸のトアポイント・・・。

驚くことにそこには多くの車が列をなし、フェリーは2隻でも大人気の渡船でした。

 

こちらから見る対岸の”ロイヤルネイビーイギリス海軍の巡視艇やドック(造船所)と違い、幾艇かのヨットが停泊する静かな道を行けば、遠くまで一面草におおわれた丘が続き、入り組んだ湾の奥に行き場のない波が漂(ただよ)っています。

視界広がる風景になぜだかとても落ち着く空間。

先日のウェールズ、セント・アサンの海辺のクリフ(断崖)のように、「人に会えばGood morning! や Hellow!!」といった言葉を自然に交わします。

 

再びフェリーで対岸に戻り市街地に向けて海岸線を行けば、目の前に現れたのはヨットハーバーとたくさんのキャンピングカー。

そこにいる皆さん、思い思いに楽しんでいらっしゃる・・・。

だいぶ前に覇権を米国に奪われ、”日沈む国”などの陰口を耳にしていた自分には、その光景がとても優雅なものに見えました。

https://lh5.googleusercontent.com/p/AF1QipP7wGThqe7x4syVOpvqv1bN6S3JOMf-0P9CGJmZ=w426-h240-k-no

(ヨットハーバー)

翌年(1987年)、帰国後再就職した小さな会社がバブル(バブル期)に乗じて小型クルーザーで取引先の接待を始め、クルーザー購入と維持にかかる費用に驚くことになるとはつゆ知らず・・・。

 

やがて港の中央部に至れば、市街地の延長上に広がる平原(原っぱ・写真↓↓)から180度以上の視界で海が見下ろせました。

そこはたくさんの観光客と地元民でにぎわう、憩いの場所。

https://lh5.googleusercontent.com/p/AF1QipM2-p0vY33COm00CRwjsdKF7cX10gzyh_wKFogL=w408-h272-k-no

 

1912年、南極点まで到達するも帰路で遭難、帰らぬ人となったイギリス海軍の軍人スコットとその隊の栄誉を称える石碑を傍(かたわ)らに見つければ、社会だったか歴史の授業で習ったことを思い出し、遠い昔にこの港から南極探検に出発した船を想うバックパッカーでした。

スコットと言えばアムンゼン

スコット隊は条件の良いノルウェーアムンゼン隊に先を越され、(人類初の)南極点到達レースに勝つことができなかったばかりか、帰還することもかなわず・・・。

 

街の小さな市場ではセリからだいぶ時間がたったとみえ、魚やエビがほとんど片付いてしまっている中、カレイが包丁で身をそがれ、骨と併せて4割ほどが捨てられている!もったいなさ・・・。

(便せんメモより)「揚げればうまいのに・・・(イギリス名物”フィッシュアンドチップス”からの連想)」

遠い日、地元県央の駅前の朝市で串に刺して一尾丸々焼いていたカレイや、港が近かったからかばあちゃん家でよく出た「丸々焼きガレイ」を思い出しました。

 

「街中は平日でも人出絶えず、青空市場も天井の高い全天候市場も”活気の塊だ”」

 

イギリス国鉄の「コーンウォール一日乗り放題券」があると聞き駅までおもむくと、一日券・4ポンド(=1080円)でも”乗り放題”ではなく”好きな場所までの往復券”でした。

コーンウォール地方ならどこでも往復均一料金(4ポンド)”、日本では聞いたことのない”一日券”です。

それならイングランド南西部・半島の付け根の町ペンザンス終点・最長区間)までが狙い目ですが、コーチ(都市間バス)は3.2ポンド(=860円)でそれでも割安、鉄道は通常なら倍以上、、、。

「速達な鉄道で周遊」ができなかった所以(ゆえん)です。。

 

通貨単位は£/イギリスポンド(#ユーロ加盟国後離脱/現在はポンド)で1£=約270円

国税庁発表の統計によると、1986年(昭和61年)の平均年収は386万円 

35年後、2021年(令和3年)は443万円で約15%上昇(約13%低い↑)。

 

ひとまずスーパーでたんまり食料品を買い込んでユースホステルに戻ると、部屋で4人の高校生(男子)がしゃべりまくっている・・・。

消灯が23時半(だいぶ遅い)とくれば、夜更かしグループが部屋を移動する際の床(板張り)の反響をもろに受けることに・・・・・。

その大反響はきっとコンサートには適しているに違いない、などと開き直って寝るしかない深夜の大部屋でした。

 

 つづく