三陸 海 旅 つれづれなるまま

三陸沿岸 へき地移住者の暮し 旅の話など

1986 昭和の東西ヨーロッパ行 15 国境を越え森林歩き 西ドイツ ベルギー 欧州  No.506

(今年3月で閉鎖された小さなトイレ 身延線 山梨県

「全列車トイレ付につき・・・・・」の張り紙が・・・お盆にて)

お盆に首都圏の電車に乗れば、行く先々で「相互乗り入れ」が増え(終点が伸び)、聞き慣れない行き先に??、見慣れない車両に??

地元のローカル線もそうですが、”複雑化”で駅ごとの案内アナウンス量がやけに増えたなぁと思う、へき地県境民です。

 

今から37年前の1986(昭和61)年、転職直後の離職で幸運にも実現した長旅。

「旅と鉄道好きが一生に一度多くの国を訪れる」条件に合致したのは、当時東西に分かれていたヨーロッパでした。 

 

4月15日(火)

西ドイツ西部、国境の街アーヘン(地図中央↓↓)からバスで40分、南部国境の小さな町ロエトゲン/レートゲンの友人アヒム宅にしばらく居候(いそうろう)・・・。

この日もアヒムのすすめで近くの森へ歩いて行ってみました。

”かなりをベルギーに囲まれた街ロエトゲン/レートゲン”に隣接する広い森林地帯(ベルギーの自然公園です)。

そこに”国境”はないので、ただ歩みを進めます。

(メモの便せんより)「めちゃくちゃ広く人は住まない。へんぴそのもの」

「なんとか天気はもっても、このところの雨・雪で道はぬかるみ舗装道路は少ない」

「3時間ほど歩けど途中道に迷い引き返したこともあり、森を抜けることができない」

 

「途中、やぐらを組んだような高さある監視小屋を見つけ、はしごを登り中で休み体を温める」

昼ご飯は朝(朝からやっている)近くのスーパーで買った、”Brotchen(*正しくない綴り)/ブロッチェン”という小さなフランスパンのようなものにバターとソーセージ(ペースト)を塗って作ったサンドイッチを小屋の中で。

「広い空間に風と木々のざわめき、小鳥のエコー、小川のせせらぎ、低空を飛行する戦闘機の爆音・・」

https://lh5.googleusercontent.com/p/AF1QipOvW4t8QSXuGRLVsyDu1W4SvjSc9hQvwwCkYQV0=w408-h272-k-no

(グーグルマップより)

”室内”で英気を養い歩き始めると、遠くから大柄の鹿ちゃんがこちらを見ている・・。それにしても広い・・・でやっと湿原に出たのは午後2時半。

「(湿原は)尾瀬の比でない?」

「 道のところどころは乾き、カエルは泳ぎ、あとは”ふきのとう”待ち?」

 

ちなみに”寒さのせいでゴキブリは存在しない”と言ってましたが、37年後の今は温暖化ではたしてどうなっているのやら・・・。

結局、この日も天気は持たず、”シャワー1回・パラパラ2回”、さすがに雪はなく助かりました。

こうした「人と会わない日」は、喧騒(けんそう)を離れ雑念を払い、自然に埋没できる貴重な1日となりました。

 つづく

 

追記:国境の街アーヘン(Aachen)はフランス語ではエクス・ラ・シャペル (Aix-la-Chapelle)と大きな違いがあり、そこには複雑な歴史がありそうです。