三陸 海 旅 つれづれなるまま

三陸沿岸 へき地移住者の暮し 旅の話など

終活にて 9 昭和のフィリピン一人旅 2. 無名海岸は天国か? ルソン島 REPUBLIC OF THE PHILIPPINES No.485-A

三陸自動車道、一車線区間で追いつかれたら少しだけ無理して走り、二車線区間をマイペース80キロ前半で走れば皆さんに抜かれる、軽自動車/へき地県境民です。

 

長年の自営の長時間労働・不規則な生活やストレスが生んだ”体調不良(病/やまいとも言う)”。

それまでの、平均寿命を越える親族に自分も・・の想いは急変、””モノ減らしから終活”へと駆り立てる日々始まる・・・。

 

古い私物を整理すれば、1980年代のものがいくつかか出てきました。

それは昭和の終盤がうかがい知れるモノたち。

 

1984年9月上旬。

3度目の海外一人旅はサラリーマンの夏休み/8日間で真夏のフィリピンへ。

当時の日本人の平均年収は今の四分の三(今は1.3倍)くらいです。

 

4日目(マニラから北の海辺の町まで)

昨日、細身でかっこいいオカマちゃんが切り盛りする屋台でコーヒーを注文したら、なんと「ネスカフェ」。

小瓶からスプーンで一杯二杯〜。

大瓶を買わないの?と聞いたら「高くて買えない」ホントかな〜?ホントそう〜

後日、記念写真はエアメールで発送、、、。

そうしたら翌月、写真が送られてきました。

(オカマちゃん)

(おしゃれな詩がタイプライターで印字された裏面)

 

・ジプニー(乗合大型ジープ)1ペソ(=14円)

・長距離バス代14.1ペソ(=200円)・・・この安さがのちに・・・。

目的地は”高地/避暑地バギオ”の左、リンガエン湾沿いの海岸です。

(地図下の”バタンガス”は今年有名になり現在拘置所在住の”押し込み強盗団の指示役ルフィーらが滞在していた町、離島への船の発着所があります)

サンフェルナンド行きの大型バスは北に向けて快調に飛ばしていい気分!・・でしたがわずか1時間足らずで終了~。

皆が降りて終点~。

答えはすぐにわかりました。

目的地はラウニオン州サンフェルナンド、ここもパンパンガ州のサンフェルナンド。

同方向に同じ地名があるとは知るよしもなく、、、。

かつてのスペイン統治時代の地名があちこちに見受けられます。

バスがあるかなぁ?と困っていると、男性が寄ってきて「バス乗り場まで連れて行ってあげるよ」。

彼のジプニーに乗り込んで隣町のアンヘレスまでは一直線、貸し切りでいい気分にさせてくれました。

多言語の国らしく、パンパンガ語があるとか。

たいした時間もかからず到着、無事バスに乗ったまではよかったのですが、「ジプニーの料金が足りない」とバスに乗り込んできて「もっとくれ!」とかなり粘ります。

押し問答してもらちが明かないのであきらめて、払った金額は10キロ・60ペソ(=930円)。

10キロ1.5ペソの乗り合いジープが本業の彼にとってはかなりいい稼ぎになったようです(★彼は途中で飛び降りましたが、すでにバスは結構な距離を走っていました)。

マニラからの長距離バスは40キロ・200円。

たとえ地元民の何倍かだったとしても、観光客がリュックをしょったバッグパッカーだとしても、彼らから見れば「お金持ちから割増でいただく(ぼったくるという見方も)のはしごく当然」のことだと、今になれば理解ができます。

 

ちなみに、アンヘレスから目的地サンフェルナンド手前までの長距離バスは130キロ・41ペソ(=580円)でした。

車中で隣のお姉さんに「目的地の集落で一番安いホテルは?」と聞いて教えてもらった海辺の宿(今はもうないようです)に幸いチェックインできたのですが、1泊275ペソ!(=3850円)、当時このあたりでは一番高い宿でした。

(滞在場所は地図右、サンフェルナンド下あたり)

宿にはコテージがいくつか並び、目の前は砂浜です。

滞在客はアメリカ・オーストラリア・スペイン人など8・9人で「英語勉強しとくんだった」。

こちらでもサンミゲル(ビール)の夜。

 

5日目。

朝食は45ペソ(=650円)。

「少しは体の疲れが取れたようだ」(暑さに慣れるのは若者でもたいへん)

ホテルの前の砂浜で営業する3人のおばちゃんたちから「浮き輪(といってもタイヤの黒いチューブ)」を借りて(一日10ペソ=140円)、泳ぐ人もいないおだやかな波に漂い空を見上げてぷかぷかすれば、ここは天国か?

”ずっとこのまま、帰りたくない”気持ちにさせてくれます。

二つの小船をつないで帆をかけた観光船の船長さんは「低気圧が来て2週間ほど仕事がない」などとのんびり話し・・・。

一人のおばちゃんのお昼ご飯に興味が湧いて分けてもらえば、中身は「グリンピースの入ったごはんと小さなカレイのような小魚を塩ゆでしただけの素朴なもの」でしたが、おいしく頂きました。

「月いくら(働いて)もらっているの?」

「○○ドルくらい」

「あ~(やっぱり、というかんじ)」

当時はこちらが意識する以上の物価差があったようです。

Janeさん、Claraさん、Ligayaさん、3人の記念撮影と当地ラウニオン州バウアン(Bauang)の住所をもらい、後日エアメール・・・。

 

午後はサンフェルナンドの「ミッドタウンフードセンター」とレストランを教えてもらい、ジプニーに乗れば片道8㎞で1.5ペソ(=20円)、こんな感じの物価でした。

地元民の足、ジプニーはどこでも”待たずに”乗れるありがたい存在。

・アボカドジュース5ペソ(=70円)

・そうめんのあんかけ7ペソ(=100円)

市場で

バナナ12本、3ペソ(=42円)「うまい!」

・みかん3個、5ペソ(=70円)

スーパーマーケットで

・ジュース2.5ペソ(=35円)

・コーヒー8.5ペソ(=120円)

・コーラ300ml、1.9ペソ(=30円)

 

宿のある集落(バウアン)にはどうやらディスコがあるようでしたが、どうしても単独で行く勇気が出ず、宿でおとなしく過ごした夜。

全行程で「台風に会わなかった」のはだいぶラッキーだったようです。

  

 つづく

(壁掛け キリスト教の文言が)