三陸 海 旅 つれづれなるまま

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1986 昭和の東西ヨーロッパ行 3 観光なし 仏から独 理由は 欧州 フランス ドイツ No.492

今から37年前の1986(昭和61)年、前年転職直後にやめたおかげで皮肉にも実現した長旅。

「旅と鉄道好きが一生に一度多くの国を訪れる」条件に合致したのは、当時東西に分かれていたヨーロッパでした。 

 

4月2日(パリ⇒ベルギー⇒ドイツ国境の街・アーヘン⇒レートゲン/ロエトゲン)。

さかのぼること3年、1983(昭和58)年の夏に2度目の海外一人旅で訪れた台湾。

山岳横断バスで知り合ったドイツ人アヒムの「西ドイツに来たらおいで」を真に受けて、滞在するべくベルギー経由で西ドイツの国境の街「アーヘン」(★リエージュ右隣あたり)へ。

”いろいろな場所を移動する前に”拠点”を確保して、いろいろ経験しながら近場(隣国)へ”、がねらいでした。

パリ北駅からアーヘンまでは343k㎜・2等で190フラン(=5000円ちょい)。

 

 

 国税庁が発表した民間給与実態統計調査の結果によると、昭和61年(1986年)の平均年収は386万円でした。

35年後、2021年(令和3年)の平均年収443万円(14.7%上昇)と比べると、約13%低いです。

 

アムステルダム(オランダ)/半分はブリュッセル(ベルギー)行き特急(Rapid)に乗ろうとしたら、窓にわからない数字や「Reserved(予約)」の紙が貼ってある・・・。それではと、貼ってない車両に乗れば紳士がやって来て「ここは私の席だ!(予想)」とまくしたてる。

見ると、座席の頭に番号らしきものが・・・。

今思えば”パルドン・ムッシュ(すいません)”とでも言っておけばよかったのでしょうが、たぶん・・・。

やっと何も書いてない2等に座れるまでは「もしかして全車指定?」と思い”案内所”で尋ねたくらいでした。

出発前に”トーマスクックの時刻表(ヨーロッパの主な列車が載っている)日本版”を手にしても、欧州鉄道旅はまだ始まったばかりです。

 

初めての国際列車は大きな電気機関車が1等2両/2等4両、計6両の客車をけん引するものでした。

オリエント急行殺人事件ではありませんが、古い映画に出てくるような”コンパートメント(3・4人ずつ向かい合った座席の個室が並ぶ)”がそのうち1両。

だだっ広い平原を走ること2時間でベルギーの首都ブリュッセルです。

ベルギーの公用語は、北方のオランダ語(フラマン人58%)と南方のフランス語(ワロン人31%)の2言語で、首都の表示も2つです(下の写真↓↓)。

グランプラス(市中心部の広場)が有名な街で、今日日本の新幹線”グランクラス”が思い浮かびましたが全く関連はなさそうです。

お隣、パリ在住のスペイン人夫妻とは満足に会話できないままここで降車。

 

この駅でもトラブルひとつ。

ケルン(西ドイツ)行きのEXPRESS(急行)列車が”IC(インターシティ/優等列車)”で、座席予約と特別料金が必要なのでは?❓

ところが、インフォメーション(案内所)で聞いてもわからない、違う案内所では「予約しろ!」と言われ、切符売り場に着いたのは発車10分前。

結局、自由席があり追加料金も不要で安ど・・・。

(ベルギー ブリュッセル⇒西ドイツ アーヘン)

いったん地下に潜った列車は、3・4階建てのくっついた家並みと平原をリエージュ経由(マーストリヒトはオランダ)でひた走ります。

古ぼけた2等で飯(といってもクラッカー)でも食べようとリュックを広げた5分後、スペイン人一家8人が乗り込んできて隣のコンパートメント(6・8人掛けの個室)へ退散・・。

 

平地の多い国から少しずつ坂を登り山岳部へ来たな、と思えばそこはもう西ドイツ、国境の街アーヘンでした。

両親に買ってもらったという車で迎えに来たアヒムは、17㎞の道のりをヒッチハイク”の地元の男性を途中で拾いながら、これまた国境の村ロェトゲン(下の地図ではレートゲン)まで信号の少ない田舎道をひた走ります。

(西ドイツ アーヘン⇒レートゲン/ロエトゲン)

途中で「ダンケシェーン!」と言って降りて行った男性。

日常生活で”ヒッチハイク”をすること(=乗せること)はあたりまえ、とのことでした。

夕刻。

屋根裏部屋まで入れると4階建て、家の前がなん百坪もある広い敷地・・・。

思わず、遠くまでボールを投げて犬に取って来させるシーンが・・・。

今夜の寝床、木のらせん階段を屋根裏部屋まで登り降り。

分厚いステーキ用の豚肉をごちそうになったあとは「小学校へ行き40人分の夕食作り」。

作るは「マッシュポテトとオムレツ」のみ。

(彼の)「友人何人かと作って帰って寝る」。

よく理解できないこと、は翌日の午後にその正体が判明することに・・・。

 

 つづく