(松竹キネマ撮影所があった街の面影、大田区蒲田「キネマ通り」 お盆にて)
お盆にいつもは乗らない圏央の近郊電車に乗れば、スリッパをはいてくつろぐ人を見て驚く、へき地県境民です。
今から37年前の1986(昭和61)年、転職直後の離職で幸運にも実現した長旅。
「旅と鉄道好きが一生に一度多くの国を訪れる」条件に合致したのは、当時東西に分かれていたヨーロッパでした。
4月10日。
西ドイツ西部、国境の町の友人宅に荷物を置いて、1週間の隣国ベルギー訪問4日目。
北方アントウェルペン/アントワープから中世の古都ヘント/ゲント、ブルージュへ。
国税庁が発表した民間給与実態統計調査の結果によると、昭和61年(1986年)の平均年収は386万円でした。
35年後、2021年(令和3年)の平均年収443万円(14.7%上昇)と比べると、約13%低いです。
Antwerpen-Zoid(南)駅からLocal Train(普通列車)でしばし田舎を西に進みます。
途中駅で6分遅れ(国全体では遅れも少なく優秀です)、ここから特急に乗り代えフランドル地方の古都ヘント/ゲントまで合計1時間。
ゲントは、ベルギーのフランドル地方にある古都で、中世から発展してきた都市として知られています。旧市街には、中世からの歴史的建造物が多く残されており、その中でも「ゲントの鐘楼」は、1999年に世界遺産に登録された建造物の一つです。また、運河風景で人気のブルージュとライバル的な存在としても知られています。(Bingチャットより)
通貨単位はBF/ベルギーフラン(#ユーロ加盟国は現在ユーロ€)で1BF=4円。
(メモの便せんから)「この街もすごい!トラム(市電/29BF=120円)が走りいたるところに教会がある、実に落ち着いた街」
「有名なフランドル伯の城に行く時間はない」
滞在が3時間なのは、”5日間でベルギーをまわる”ならいたしかたなかったのでしょう。
ブルージュまでは45㎞を表定速度(1時間に進む距離)106㎞、24分で、速い!
車掌さんがよく交代しよく来るのは”キセル防止”なのかなんなのか・・。
(ブルージュの10キロ先はオランダ)
ブルージュは、ベルギーのフランダース地方にある中世の街で、世界遺産。
見どころは広場・鐘楼・大聖堂など。
こちらの有名観光地は例えるならば”大判 倉敷”でしょうか。
「街全体が完璧に古く、保存されている」
「観光客多く、”JAL PACK"の団体さんにも会う」
「町一番の高さ88m(22階建てくらい)の鐘楼に登ると、町が”まっ茶(屋根)”に見える」
「15分おきに鳴る”カリヨン”は17世紀の音がする」(慣れないと騒々しいかも)
本日の宿はユースホステルをやめ、駅で宣伝していた"INTERNATIONAL Y.H"という”もどき”に。
「260BF(=1040円)で恐ろしいことに”男女同部屋”2段ベット」(後日フランスでも)
「男女比は4対6、自分以外は英米人ばかり」
「共同シャワーを含め設備の保守は星一つ」(安いし、日本のようなすばらしい衛生状態を期待してはいけないということでしょう・・・)
「町のいたるところに”犬のふん”があるので踏んだらたいへん!ジュータンの上(部屋の中)を歩けない・・・」(後日フランスでも)
夕食に併設のレストラン(食堂?)で”鶏肉のパイ包とライス(小ぶりなパイの中にご飯・190+税20BF=840円)を頼んだら、ライスを頼む人がいないのか?「出来栄えはこれでいいか?」と聞かれてしまった・・・(当然ライスはパサパサ~)。
「この国で暖かいものを食べたのは2食目」と、スーパーの買い食いでも日本のように”暖かい総菜”や当然ながら”弁当”はなく、食事は「パン・ハム・チーズ+生野菜+飲み物」が基本でした。
自炊ができなければ、まず米飯にはありつけません。
ましてスーパーに電子レンジの姿など・・・。
ユースホステルにも自炊設備はなく、買って”すぐ食べられるもの”以外口にすることはほとんどありませんでした(さりとて外食は割高)。
それでも、種類豊富なパン・ハム・チーズは(ヨーロッパが)本場だけあっておいしさ格別、今は食パン以外ほとんど買えない低所得者が振り返れば、至福のひと時(食事)でした。
つづく