三陸 海 旅 つれづれなるまま

三陸沿岸 へき地移住者の暮し 旅の話など

山越えの街歩き 時速5キロで行けば そこは 三陸沿岸部 No.433

週1回の買い物もおっくうにさせる、へき地どっぷり(はまった)自炊生活ですが雑用はあるもの。

県境民なのに雑用と言えば県内で、なかなか隣県(北)へ行けずプチストレス(かも)。

このところの気温上昇で、やけに空は”春がすみ”。

ウォーキングを誘う陽気が3月にして到来するとは・・・それでも北の県央より更に2~4度低いのですが。

なので、買い物ついでにウォーキング、するつもりが小山の上り下りで”街歩き”になってしまいました。

地図では”平地”に見えますが、地図下部の橋を渡り、繁盛中の喫茶店の先から駅まで”山越え”が待っています(中央あたりがてっぺん)。

(大川・看板のうしろが山)

大川は隅田川(大川)とは似ても似つかぬ川ですが、孵化(ふか)場がある重要な川です。

震災で津波が川をさかのぼりましたが、サケ・マスはこのところさっぱり上って来なくなりました。

不漁で遡上(そじょう)する個体は少し⇒個体から卵が取れない⇒充分にふ化できない⇒稚魚の放流は少し⇒「記録的な不漁」というやつ(循環)です。

看板に「密漁うんぬん」と書いてありますが、心配ご無用!!

やるだけ徒労に終わります。

 

反対側から来た地元の方に道を聞いて登れば「正解」。

地図は「すべて車が通れる道」ではないので、見逃して1周したかもしれない複雑な道。

行きは最短で済みましたが、すれ違いも危うい道が下からくねくねと続きます。

敷地のそれほど多くはない、車があまり停められない家々。

”雪が少ない沿岸部”でも”融雪剤”は必需品です(降雪量が少ない⇒溶けて凍ると滑る⇒圧雪状態よりもかえって危険です)。

(下・右奥の暗がりから来た道を振り返ると、平なところはどこもなく)

(地図の「かねふとコーヒー」と書いてあるてっぺん(頂上)も平地なく、常に「ハイアンドロー・上か下か」)

このあと無事”表の道路”に出れば、駅はすぐそこでした。

(多くの観光客の皆様が撮る駅の写真は省きます)

震災前はT字路のように、南北と西へ伸びていた線路は今、南北はバスに・線路は西だけになりました。

本数はBRT(バス)で増えましたが、一ノ関駅までの大船渡線は上り10本・下り11本の小さな駅。

それでも「ニューデイズJR東日本のコンビニ・旧キオスク)」あります。

激減中の「みどりの窓口」まだあります。

なので、「青春18きっぷ」が買えるそうです(確かめに来ました)。

ただし、(みどりの窓口)いつまであるかは知らんけど、とも。

ホームへの出入り口に「鉄道は改札あり・BRTは改札なし」の表示。

震災後、高層建築物のない昭和からの街並みには似つかわしくない(?)12階建て市営住宅(災害公営住宅)が建ちましたが、はたして部屋は”埋まっている”かどうか・・・。

 

平日、閑散とする駅前をあとに裏道へ行くは、「グーグルマップで行き止まりの道」を見つけるため。

細い路地の先、砂利道(私道)を登っていくと、その先に上へと続く道が・・。

車の入れない家々が多く立ち並ぶ中、やがて道はコンクリートから土になり、70年代とおぼしき冷蔵庫が横たわる・・・。

電波塔(基地局)のふもとから来た道を見れば、遠くにオレンジ色のBRT(バス)が1台。

区画整理されることなき駅前に、少なからず廃業した個人商店や家々が立ち並んでいます。

やかて、塔の先に昭和ドラマに出てきそうな古い宿舎が見えてきて圧倒されました。

裏から表の玄関に回ると、松並木の奥にあるその建物の看板は「下宿貸ホール 館山会館」。

窓は木枠で、一部が割れたその先に家具がまだ手付かずのままに・・。

こちらにもありました・70年代とおぼしき冷蔵庫が扉を開けて・・・(右奥)。

山のてっぺんにある「浄水場(写真右・左も水道施設)」(下りれば下にも・・)。

ここまで来れば、汗ばむ体に杉の大木を抜けて吹く風が心地よく感じる午後でした。

そのまま下る道はすぐに舗装が途絶え長い砂利道に・・(こちらも私道でしょうか)。

車のそばで何やら袋を持ち作業する”お姉さん”にこのことを聞くと、

「このあたりは土地を借りて家を建てて住んでいる・草取りほか、私道の管理はたいへん」とのこと。

この土地に来て「土地を借りて上物を建てる=将来”更地にして返す”」ことが少なくないことを”改めて”意識しました。

行き止まりでもない・すれ違いのできる、明らかに地域住民の主要道路でも”私道”のまま・・なんだかな~。

 

やっと川まで下りればここにも浄水場の建物が(上下セットのようです)。

このあたりは、駅前の通りを中心に風情あふれる場所です。

最近「(地図右の+-あたり)化粧坂」は坂から切通しのなだらかで通りやすい道になったばかり。

市内で一時1軒になったお風呂屋さん”友の湯”(震災後、魚市場隣に漁船員さんのための”早じまいのお風呂屋さん”ができました)。

 

車で観光に来る方にとって、古いエリアの駐車場確保は容易ではないかもしれませんが、そこは地方(田舎とも)、(聞けば)なんとかなります。

港あたりの駐車スペースは複数個所あります(建物下の30分と3時間まで無料の2か所を除き無料)。

列車やBRT(バス)で来る方は、港まで平地をぶらぶら歩くにはまあなんとかなる範囲の、こじんまりとした街です。

高速道路は大都市から1本につながり、訪れやすくなりました。

盆暮れ・GW等まとまった休みでの訪問、大歓迎いたします。