三陸 海 旅 つれづれなるまま

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昭和の鉄道旅 九州 7県 1970年代・80年代 国鉄 周遊券 No.421

今から4,50年前の1970年代後半から80年代前半(昭和50年代)。

JRに分割民営化される前の国鉄日本国有鉄道)。

新幹線は東海道と山陽(東北は82年開業)のみで、昼夜を問わず特急急行が全国を網羅していました。

そんな国鉄が発行していた「周遊券」を利用した旅ができたことは幸せなことでした。

 

1981(昭和56)年、夏休みを利用して訪れた九州・7県の旅は・・・。

「九州ワイド周遊券20日間有効」は「エリア」までの往復を含め特急・急行が乗り放題・途中下車OK。

今はJR各社がエリア内乗り放題の切符を発売することもあるようですが、それは新幹線を含めた金額(3日間で2万円ちょっと等)です。

「往復乗車券よりも安い周遊券」は鉄道ファンには思う存分乗れる、ありがたい存在でした。

ワイド周遊券ならではの「長距離・広範囲の周遊区間」を生かし、「夜行列車」を多用し、宿(ユースホステル)は半分以下で済ます方法です。

 

トンネルの景色が半分以上の山陽新幹線はいまだにこの時1度だけ(京都~小倉)でしたが、お隣の方と仲良くなり、今は亡き食堂車で「焼肉セット1000✖2」って書いてある・・・(食堂車は2000年3月のダイヤ改正で廃止)。

駅徒歩15分の小倉城/入場券が100円の時代。

(降りた駅は主要駅と黒字で、乗ったところは赤い丸で示しています)

急行(一部特急・快速)列車名は

★鳥「かもめ」★地名・地方・川・山 「有明」、「ながさき」「平戸(ひらど)」「かいもん(開聞)」と「弓張」(岳)「えびの」(高原)「佐多」(岬)「由布」(湯布院)「日南」★イメージ「みどり」「にちりん」「火の山」「あきよし」「ひかり/こだま(新幹線)」「まつかぜ」(山陰本線)「あさかぜ」(東海道山陽本線)など

 

他の地方にはない路線が入り組んだ、かつて炭鉱で栄えた「筑豊地区」は全部乗ろうとすると複雑で、何日もトライしなんとかクリア(写真↓↓)。

歴史を感じさせる、SL(蒸気機関車)用のターンテーブル(回転台)。

筑豊は一部を除き乗車率~50%とすでに厳しい状態でした。

ちょうど5年前の今頃(37年後)、大分市で作業後「廃家電の問屋さん(福岡支店)」への持ち込みでふたたび訪れた時は、あちこちにあった「ボタ山(石炭採掘の際に出た硬石)」の姿すでになく、郊外の巨大なイオンモールにたくさんの車が出たり入ったり・・・。

反対に日田や湯布院(大分)周辺は当時からの人気どころ。

「座れない!」(メモ帳)。

博多からの下り特急「有明25号」(西鹿児島行き)は「200%!」。

 

コロナで「車中泊」ばやりの昨今ですが、当時の「車中泊」は「門司(北九州)~長崎の寝台車付普通列車」「博多(福岡)~西鹿児島(現鹿児島中央)急行」があり何度か往復しました。

中には「乗車率150%・座れず・乗務員室で」。

「昨日と同じ」(博多→西鹿児島)。

お盆の(ホーム)入線がなんと1時間半前で乗車率175%!

玄界灘北九州市若松桟橋と戸畑桟橋を結ぶ渡船は20円。

明治開業の西鉄西日本鉄道)のチンチン電車(北九州線・44㎞の長さ!)はこの時はまだ繁盛していましたが、1992年に廃止。

 

光都市・長崎は歩いて回れ、中国・オランダの情緒あふれる見所満載の街。

5~20分ごとに、坂・教会・神社・寺・公園・墓地など計十何か所かがメモ帳にびっしり。

暑い!汗!!だくになりながら・・・。

普通車に冷房車はほぼありませんでしたが、「特急自由席」に乗り込めば、そこは天国(大きなリュックかついだ若者は迷惑だったか?も)でしたが、乗車率100%で冷房が故障した時も・・・。

「沿線火災で遅延」や、季節柄「台風」で運休。

 

有田や伊万里などの焼き物の里。

訪れてみたいなどと思うようになったのは自営(リサイクルショップ)で全国の焼き物を目にしてからで、当時はひたすら乗って乗って、乗って。

温泉、同じく当時は眼中になく・・・。

人一杯の「都井岬」(宮崎)。灯台入場料50円。

かつての新婚旅行のメッカ・鬼の洗濯岩のある「青島」(宮崎)で海水浴と「こどもの国」で遊べば、「妻線」と「西都原(さいとばる)古墳群」に行き乗り損ね、いたしかたなし。

山の奥、高千穂峡高千穂神社(宮崎)は歴史ある風光めいびなところで鉄道もGOOD!でしたが、豪雨災害で復旧断念・廃線で今は行きずらい場所になってしまいました。

 

三角(みすみ)線(熊本)終点は海が目の前で、夕刻ディーゼルカーが着くと、天草諸島行きの複数の船がお待ちかね。

まるで、広島市電終点の宇品(うじな)港から各島に散っていく大小さまざまな船を見ているかのようでした。

宮崎・鹿児島・熊本・大分・福岡など県庁所在地は事前調べで「まち歩き」予定まで作成しましたが、真夏に重いリュック(汗・・)。。。や日程の都合で長崎・鹿児島にとどまりました。

ノートに、ユースホステルで仲良くなった東京と岐阜から来ていた異性二人組(二組)に住所を書いてもらえど、その後何のアクションも起こさなかったのはいまだに???・・・。

 

唯一の体験「ブルートレイン寝台特急 あさかぜ」に下関から横浜まで復路で乗車すれば、柳井(山口県)から「後続のあさかぜ」と間違って乗り込んできた方々。

「ここは私らのベット!」

「いやいや・・(と切符を交互に確認す)」。

わいわい言った後広島で下車していって、やれやれの旅の終わり。

(60円のお惣菜はなんだったのか?)

物価は、ロッカー代200円、ジュース70・ジュース98・ジュース100(夏)、うまか棒(明治が1979~2019年発売のアイス)50円、皿うどん450円、ちゃんぽん250円、鯛めし500円、焼き飯350円、ラーメン400円、セブン(スター)180円、西鉄電車代90円、力うどん500円と梅が枝餅60円(大宰府・だざいふ)、かにチラシ寿司500円(佐賀)、親子丼400円、船代60円などなど。

 

1981年(昭和56年)の平均年収は309万円(2019年は1.4倍)。

2019年(令和元年)の平均年収436万円の約70%でした。

「21日間の旅」でかかった費用は、周遊券17300円、特急寝台料金5000円、各種切符代、(カメラの)フィルム代、宿泊代、飲食代、お土産代を含めて89000円で、さしずめ令和なら125000円。

安いと感じるか、その金額があったら他に回すかはひとそれぞれです。

 

 完